コラム

コラム2025.12.4

「受験1か月前、親にできる最高のメンタルケア」

~ 「安心」をつくることが、最後の伸びにつながる ~

みなさま、こんにちは。ファースト個別・岩田です。中学受験の本番まで、まもなく残り1か月。
カレンダーを見るたびに胸が締め付けられるような思いをしている親御さんも多いのではないでしょうか?

「あんなにやったのに、まだ過去問の点数が安定しない」 、「苦手な単元がまだ不安」、 「今のままで本当に合格できるのだろうか」
机に向かうお子さまの背中を見ながら、そんな焦りが押し寄せてくる。それは、これまで二人三脚で頑張ってきたからこそ生まれる、ごく自然な感情です。まずは、ここまでお子さまと一緒に走り続けてきたご自身のことも、どうか褒めてあげてください!

しかし、この「直前期」という特別な時間は、親御さんの心の持ちようが、お子さまの結果を大きく左右する繊細な時期でもあります。 今回は、残り1か月を親子で笑顔で駆け抜け、そして最後にグッと力を伸ばすための「親にできるメンタルケア」についてお話しします。

【1. その「不安」、お子さまは敏感に感じ取っています】
直前期のお子さまは、まるで高性能なアンテナのような状態です。 普段なら聞き流せるような言葉や、何気ない態度にも、心が大きく揺れ動いてしまいます。
言葉にして「不安だ」と言わなくても、お子さまは親御さんのすべてを見ています。 ため息をつく回数、声のトーン、そしてふとした瞬間の表情。親御さんが発する「言葉以外の信号」を、お子さまは驚くほど正確にキャッチしてしまうのです。
もし、親御さんが心の中で「大丈夫かしら…」と不安に思っていると、その空気は必ず伝播します。 「お母さんが不安そうにしている。やっぱり僕はダメなのかもしれない」 お子さまはそう感じ取り、本来持っている力を発揮できなくなってしまうのです。

ー 親の役割は「どんな嵐でも動じない港」になること ー
大切なのは、親御さんの不安を「ゼロにする」ことではありません。我が子の一大事を前に、不安にならない親などいないからです。
重要なのはズバリ、不安を子どもに感じさせない「俳優」になること!
内心はどれだけ不安でも、お子さまの前では「ドンと構えた大木」のように、あるいは「どんな嵐でも守ってくれる港」のように振る舞う。
「お母さん(お父さん)がこんなに落ち着いているんだから、きっと大丈夫なんだ!」
そうお子さまに思わせることができれば、それだけでお子さまの心は落着き、机に向かう集中力も増していきます。

【2. 合格を遠ざける「NGワード」と、力を与える「魔法の言葉」】
焦りが募ると、つい口出ししたくなるのが親心。ですが、この時期の言葉選びは、慎重すぎるくらいがちょうど良いのです。

× 自信を削いでしまう言葉
こんな言葉が、喉まで出かかっていませんか?
・「本当に受かる気あるの?」
・「どうしてこんな簡単なミスをするの?」
・「もっと頑張らないと間に合わないよ」
・「○○ちゃんは、もう過去問終わったらしいよ」
これらは、直前期のお子さまにとって「猛毒」です! 誰よりも「合格したい」「もっとやらなきゃ」と思っているのは、他ならぬお子さま自身です。自分でも分かっていることを親から指摘されると、やる気が出るどころか、逃げ場を失い、自信を粉々に砕いてしまいます。

◎ 心のセーフティーネットになる言葉
では、どんな言葉を掛ければよいのでしょうか? それは「安心感」を与える言葉です。
・「ここまで本当によく頑張ってきたね」
・「今日やることに集中すれば、必ず道は開けるよ」
・「今はできなくても大丈夫。本番でできればいいんだから、そのための練習だよ」
・「あなたの努力を、一番近くで見てきたよ」

そして、最も伝えてほしいのが、この言葉です!

・「どんな結果になっても、あなたの価値は何も変わらないよ」

この言葉は、お子さまにとって最強の「心のセーフティーネット」になります。 「もし落ちたら、親をガッカリさせてしまうのではないか」「見捨てられるのではないか」…そんな恐怖感を取り除いてあげること。 「失敗しても、自分は愛されている」という絶対的な安心感があって初めて、お子さまは自分の限界まで挑戦することができるのです。

【3. 親ができる、言葉以外の「3つの具体的サポート」】
温かい言葉がけに加えて、親御さんの「行動」でお子さまのメンタルを整えることができます。では、今日から実践できる3つの「行動」をご紹介します。

① 勉強しやすい「空気」をデザインする
「勉強しなさい」と言う代わりに、勉強以外のストレスを徹底的に排除してあげましょう。

・勉強スペースの照明や温度を快適に保つ。
・リビングのテレビの音を小さくする。
・スマホやゲームのルールを、叱るのではなく「今は預かっておくね」と優しく管理する。

家の中が静かで落ち着いていると、心も自然と整います。「家族みんなで応援しているよ」という無言のメッセージは、何倍もの励ましになります。

② 混乱した頭を「交通整理」してあげる
残り1か月を切ると、あれもこれもと手を出したくなり、パニックになるお子さまもいます。そんな時は、親御さんが冷静にマネージャー役を務めてください。

・「今日やるべきことは、この3つだけにしよう」と絞り込む。
・優先順位をつけ、**「これは今はやらなくていい」と捨てる勇気を持たせる。
・過去問の進捗や点数をグラフ化し、「少しずつ伸びている」ことを視覚化する。

「やるべきことが明確になった」という状態を作るだけで、お子さまの迷いは消え、手を動かす速度が戻ってきます。

③ 親自身の「心のケア」を忘れない
実は、これが一番大切かもしれません。親御さん自身の心が荒れ果てていては、元も子もありません。 お子さまを支えるためには、支える側の心が健康である必要があります。

・不安な気持ちは、パートナーやファースト個別のスタッフに伝える。
・完璧な親を目指さない。
・意識的に深呼吸をし、好きな音楽を聴いたり、散歩をしたりする時間を持つ。
・家の中で「ため息」を減らす工夫をする。

親御さんの笑顔が増えれば、お子さまの心も明るくなります。それが最強のメンタルケアです。

【4. 合否を超えた「一生モノの財産」】
最後に、少し視点を変えてみましょう。 中学受験の合否は、もちろん大切です。しかし、そこだけに囚われすぎないでください。
ふと、お子さまが低学年だった頃を思い出してみてください。 机に座り続けることさえ大変だったのが、今は自分で計画を立て、難問に立ち向かい、悔し涙を流し、それでもまた机に向かっている。

・目標に向かって努力を積み重ねる習慣
・つまずいても立ち上がる心の回復力
・最後まで粘り強く考える力
・「自分は親に支えられている」という感謝の気づき

この受験勉強を通して、お子さまが得たこれらの「成長」は、計り知れません。 これらは、入試本番の点数よりもずっと長く、お子さまのこれからの人生を支える「一生モノの財産」です。たとえどんな結果になろうとも、この数年間で得た成長は、誰にも奪うことのできない勲章です。 そのことを親御さんが心から信じていれば、自然と掛ける言葉も、眼差しも、温かいものに変わっていくはずです。

【5. ファースト個別はお子さま、親御さん、どちらのメンタルも全力サポート!】
受験直前の1か月。 それは、点数を詰め込むだけの時間ではありません。親がお子さまの努力を信じ抜き、「安心の空気」で包み込む時間です。
「あなたなら大丈夫!」 そんな親御さんの温かいオーラこそが、最後の最後にお子さまの背中を押し、1点、2点の伸びにつながります。

受験生を支える親としての不安など、どんな些細なことでも結構です。いつでもファースト個別のスタッフまでお気軽にご相談ください。ご家庭の空気を穏やかに保ち、お子さまが「自分は大切にされている」「見守られている」と実感しながら、入試会場へと向かえるように、 私たちファースト個別は全力でサポート致します!

一緒に最高の準備をして喜びの春を迎えましょう。